名古屋市中心部に位置する納屋橋(なやばし)。
名古屋のメインストリードである広小路通の堀川に架かる橋で、
市の開発事業の一環として、人の行き来を活性化する目的から作られました。
大正2年(1913)に納屋橋は完成し、5月5日に渡り初めが行われました。
渡り初め式は、家業が3代夫婦で続いている縁起の良い家の者が最初に渡るという習わしがあり、
そこで納屋橋の西岸のたもとにあったまんじゅう屋の「伊勢屋」と、うどん屋の「山輪辨」が選ばれました。
新装された橋と珍しい渡り初めへの人々の期待と関心は高く、当日は黒山の人だかりとなり、
5万人もの人が集まったと新聞に書かれています。これを機に「伊勢屋」は「納屋橋饅頭」に改名。
「山輪辨」は当時の坂本名古屋市長より「長命」の名を授かり、「長命うどん」へと改名して今日に至ります。